やがて地の底へと降り立った時…最期の一歩を踏み出す。
「太陽」を信じて。
小さな2人の最後の物語、希望の9巻。
全224ページ中150p以上を完全描き下ろししました!
そしてきみのカケラ9巻は通常版に加えてなんと!完結記念イラスト集付きの豪華特別版が発売されますよ〜☆
また、クラブサンデーのサイトにて
9巻のプロローグ+イントロダクションが先行公開されています!
ぜひぜひお楽しみくださいませ…v
コミックスの通常版・特別版の詳しい情報はクラブサンデーで↓
>>クラブサンデー内「きみのカケラ」特設サイト
しんプレ一同による渾身の一冊を無事読者の皆様にお届け出来ることを何より嬉しく思います。
どうぞ心行くまでお楽しみ下さい。
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昔の人は
「世界はくり返す」
そう信じていたのだという。
草や花が毎年
新しく芽吹くように
夜から朝になるように
文明が廃れては
生まれるように。
だが、もう「世界」は
くり返すことはない
このちっぽけな世界は
大人になる前に終わってしまう。
そんな時代に
少年と少女は、生まれた。
このお話は、2つのカケラの物語。
短い一生を
懸命に生きた
少年と少女の物語。
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CONTENTS
プロローグ 5P
イントロダクション 30 p
最終章 182 p
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みなさまへ。
シロとイコロの冒険は、これでおしまいです。
作中では少年時代のほんの数年の旅なのですが、作品の完結までは8年間もの長い旅にシロとイコロを出してしまい、産みの親として苦労をかけ申し訳ない気持ちです。
元々は10話程度の小さなお話を描きたい、と企画した作品でしたが、諸処の事情により通常の連載となってしまい、その後、沢山の方々にご迷惑をおかけしながらも、描き下ろしという希有な形で最後までストーリーを完結させる事が出来たのは、なにより、それでも読んで下さるたくさんの読者の皆さまがいらしたおかげです。本当に有り難うございました。
この作品の元々は、もうほとんど憶えていない幼い頃に読んだと思う、太陽のカケラを取りに行く鳥の童話がイメージになっています。構想の当初、宮沢賢治さんの童話と思い込んでいたのですが、読んでみると違う作品でした。
あとがきの代わりとして、その童話を今の自分なりに創作して巻末にのせさせて頂きます。こんな話知ってると思われた方は教えて頂ければ嬉しいです。
また、構想の源として、私の周りにある沢山の優れた作品とともに、映画版「蕨野行」、立花隆さんのガンと死をテーマにしたドキュメンタリー、そして絵本「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」が作品の結末に勇気を下さいました。
子供の頃、本屋が数件しかない小さな街で、いつまでも続巻が出ない本を何度も何度も本屋を巡り、何年も何年も待ち続けた事があります。かさねて、皆さまのおかげで、幼い私を裏切らない漫画家でいる事が出来ました。
?「きみのカケラ」という小さな本に関わって下さった、見守って下さった、本当に沢山の育ての親の方々に、改めてお礼申し上げます。8年間、イコロとシロを、最後まで育てて下さいまして、有り難うございました。
2010 卯花月 高橋しん
─著者「みなさまへ。」より─